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ME-1020(4CD)
廃盤 ベートーヴェン:交響曲全集、
コリオラン序曲、エグモント序曲、
「プロメテウスの創造物」序曲


テンシュテット(指)LPO(9番、エグモント)、
VPO(3番)、BSO(2,6,7,8番、プロメテウス)、
NYO(4番)、キールPO(5番)、
北ドイツRSO(コリオラン)、
メックレンブルク・シュターツカペレ(1番)
[1番='68,8.18、3番='82.8.29、6番・8番='75.7.27、
2番・プロメテウス='77.7.31、4番='80.5、
5番='80.5.20、7番='77.7.29、9番='91.8.31、
コリオラン='92.6.11、エグモント='91.9.26
 全てステレオ・ライヴ]
オケも録音年もバラバラなので、全て均一の出来ばえというわけにはいきませんが、この中の奇数番号の曲と「田園」は、心の底から湧き出て全身で奏で切った圧倒的な名演で、聴き逃すわけには行きません!
「1番」は古典様式を守った極めてオーソドックスなスタイルですが、内面から込み上げる生命力が素晴らしく、平凡に流れることは決してありません。第1楽章の展開部の第2Vnの際立ちは意図的なものを感じず、自然な佇まいの中にも内声を徹底的に充実させている典型的な例。終楽章の骨太な推進力も見事です。
「7番」は、ミュンシュ時代を思い起こさせるトランペットの輝きが印象的。終了後の怒涛の「ブラーボー」も演奏の熱さを物語っています
「8番」はタングルウッドのライヴで、大家による草書を思わせる趣き。第2楽章の軽妙なリズムは心からの愉悦に満ち、小鳥のさえずりが曲とマッチして雰囲気に花を添えます。第3楽章の流麗な流れも、古き佳きドイツの伝統美を感じさせます。
「田園」は8番と同日の演奏。緻密な構築よりも全体を大きな流れと、終楽章に至るまでの精神的な表現が際立った演奏。第1楽章のリズムの鼓動と低音をたっぷり響かせた音像がリアルに迫り、
第4楽章のティンパニの最強打は野放図な突出に陥らず、絶大な説得力を誇ります。終楽章は、ボストンの弦の良質な響きが素晴らしく、第4楽章までのドラマを洗い流すような浄化のニュアンスが横溢!この美しさはまさにスコアを微視的に捉えていては到底不可能なニュアンスです!しかも最後のホルン・ソロが完璧な美しさ!
>「9番」は、冒頭の32分音符と4分音符の間隔を短くして切迫感を強調しているのがまず印象的。しかし、ここでも大柄な造型力は万全で、全体が一丸となっての熱いドラマ性は変わりません。第2楽章のティンパニと弦の連鎖の俊敏性には、強靭な意志の力が充実。第3楽章の高潔な精神そのものの響きの広がりも、テンシュテットの鋭敏な感性の表れでしょう。深いコクを湛えた木管との響きも忘れられません。弦が弾く第2主題に木管が被さることで醸し出される意味深いニュアンスに至っては、思わず言葉を失ないます。しかし全9曲の中の最高の圧巻は、「英雄」と「運命」でしょう。
「英雄」は、テンシュテットとVPOとの唯一の共演。お互いに相性が良くなかったと言われていますが、これを聴く限り、指揮者とオケの個性が完全に融合した感動的な演奏に仕上がっています。第1楽章はテンポこそ中庸ですが、音に灼熱の芯が終始宿り、内面から沸き立つ生命力が見事な緊張感を形成。続く第2楽章は、全曲の中での最高の楽章と言いたいくらい感動的!VPOの豊穣な響きがついに大全開となり、8:14以降は、逞しい造型と、全身で心のもがきを表現する金管の絶叫が心を抉り尽くすのです!この渾身の力感は、VPOがテンシュテットの芸術に心酔しきっていなければ表出されないものでしょう。
「運命」がこれまた凄い!プロムス・ライヴも壮絶でしたが、ここではさらに決死の勢いが漲り、何かに憑かれたような緊迫感で一貫しています。第1楽章は、まさに一気呵成!ティンパニの強打が確信を持って轟き、ホルンの容赦ない突き抜け方にも唖然!第2楽章はあまりの感動で全身が金縛り!ティンパニの強打はさらに冴え渡り、荘厳を極めた巨大音像が聴き手の全身に襲い掛かり、緩徐楽章の概念などどこかに吹き飛びます!これでは終楽章までエネルギーが持たないのではと心配になるほどですが、オケの没入が尋常ではないので、その闘志は止まるところを知らず、遂に決死の勢いで終楽章に突入するのです。キール・フィルは、テンシュテットが亡命後に最初に落ち着いた西ドイツのオケですが、お互いに心中も辞さないようなこの燃え上がり方は、両者の絆が並々ならぬものであったことを物語っています。第2楽章で一瞬ティンパニが勢い余って飛び出す以外は技術的にも万全。ステレオ・ライヴの「運命」としては、セル&VPO盤と共に「芸術的な灼熱」の極致を行く演奏として忘れるわけにはいきません。   【湧々堂】

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